入社後、いくつもの店舗を経験させてもらえました。荻窪店では地域密着のあたたかな雰囲気にあわせた接客を意識し、恵比寿店では効率を考えつつお客様のニーズをくみ取る接客の難しさを知って、原宿店では今までになかったパーラー店の忙しさを経験しました。今は京橋本店で副店長として、これまでの店舗での経験を活かしながら、まだまだ日々学んでいます。

京橋千疋屋のイメージを守りつつも、自分の色を出せる接客が理想です。「明るい挨拶に、つい立ち寄っちゃった」と言っていただいたことがありそれがとても嬉しくて。私だからできる明るく寄り添った接客を意識するようになりました。贈答品では、購入したその先で召し上がる方のことも想像します。買っていただければいいのではなく、お客様にとってのベストを一緒に考えて提案したい。そして喜んでいただけたときが本当に嬉しいですね。

売上や効率も大切ですが、まずはお客様のニーズを優先してほしいということを伝えるようにしています。また、果物専門店ならではの情報提供ができるよう、季節の果物の品種や特徴も共有していますね。お客様をよく見て、お客様立場になって考えることを大事に。マニュアル通りではなく、お客様の想いを汲んで、ご要望にできる限り応えられるよう、柔軟な接客指導を心がけています。

アトレ恵比寿店で、オーダー対応、使用材料の仕込み、フルーツや食材の発注業務を行っています。他には、季節やイベントに合わせた新メニューの開発、他店舗へのメニュー情報のアナウンス、発注食材の管理を担当しています。

まずは1週間ほどでメインの果物に合わせてコンセプト立案をします。季節感を大切にするのはもちろんのこと、来店するお客様が商品を召し上がった時、どんな気持ちを味わっていただきたいか、想いを巡らせます。固まったコンセプトを軸に、卸売問屋さんに果物の収穫状況、食材の業者の方にピューレなどの使用材料について相談をします。試作を2～3週間繰り返し、自分の中のイメージに近づけていきます。社内試食会でのアドバイスを取り込み商品は完成です。その後、商品に合うメニュー名を考え、撮影をし、印刷会社の方と相談しながらメニュー原稿の制作へ。自分の考えたメニューが形となり、「ようやくここまできた…！」という気持ちになります。

開発した商品をお客様が楽しみに来店し、嬉しそうに召し上がる姿を見ているのも幸せですし、自分がこだわった部分を褒めていただくと伝わって良かった…！と開発の苦労が報われる想いです。そんな瞬間のために、毎月必ず気になったお店のパフェを食べに行き、研究しに行くようにしています。「作り手の方が大切にしているポイントは何だろう？」「どうしてこの組み合わせを選んだのだろう？」と自分の中で考えを深め、次のメニューに活かせたらと考えています。

京橋千疋屋の看板商品であるくりぬきゼリーやケーキ全般の製造を担当しているんですが、自分たちで食べてみて、本当においしいと思える食べごろのフルーツだけを使うようにしています。いつ切ってあげれば、一番おいしい状態でお客様にお出しできるのか。実際に触って柔らかさを確認したり、香りを比べてみたり。フルーツの目利きはマニュアル通りにはいかない属人的なスキルなので、先輩に聞きながら、自分でも味見を積み重ねてセンスを磨いていくしかありません。一人ひとりのお客様のもとに心を込めたケーキをお届けするために、どの工程にも気を抜かず丁寧に一つひとつのケーキを手づくりしています。

京橋千疋屋では、専門の部署でなくても開発に携われるチャンスがあるんです。私も製造部に配属されてからずっと「開発したい」と周りの方たちに伝えていました。おかげで入社2年目にそのチャンスがきたときにも、忙しい中でも周りの方のフォローをうけながら、父の日の新商品をカタチにすることができました。販売開始後は、もちろん家族や親戚に渡しに行きましたよ。家族も私の案から生まれた商品だと知ってびっくりしていました。その反応を目にしたときはすごく嬉しかったですね。

知名度もお客様からの期待値も高い京橋千疋屋なら、より大きく成長できるのでは、と思えたからです。今はアトレ上野店でオーダーされたメニューをつくる製造を担当しています。

1年目は覚えることだらけでした。働きながら聞いたことや気づいたことをひたすらメモに取る毎日。先輩たちにも指導していただき、フルーツのカットの仕方や盛り付け方など本を読んだり自分で工夫してみたりと、日々何かしらの成長を感じてきました。2年目になり先輩たちからも仕事をほめられることが増えてきて嬉しいです。今ではアルバイトの方に仕事を教える側に。今はお客様にもお見せできるような綺麗な作業を身に付けたいと思いながら働いています。

メニューを考えるのが好きです。先日上野店限定のパフェをつくりました。パフェづくりには意外と工夫のしどころが多いんです。乗せるフルーツ、あしらう場所、隣り合わせになる色味の計算など…。お店のみんなにも試食してもらったり、原価の計算をしたりと、最終的には味のバランスを見ながら決めました。初めて挑戦したメニューも、お客様に好評で嬉しかったです。

私は従業員である前に、千疋屋の大ファンなんです。初めて千疋屋を訪れた時に、その味に衝撃を受けて以来「こんなに美味しい果物があることをみんなに知ってほしい」と思いました。「本物」を売っているここでなら特別な食に関わり、人に感動を与えられるようになれると感じ入社しました。そして、入社後は様々な店舗で接客を学び、今は京橋千疋屋唯一のレストランでサーブとして働いています。

当社には明治から続く長い歴史があり、そしてその歴史の分だけお客様との物語があります。京橋千疋屋へのイメージ、求めていること、そしてここでどのような時間を過ごすかはお客様それぞれです。自分たちが考える京橋千疋屋像にこだわりすぎず、お客様お一人おひとりに向き合うことは何よりも大切なことだと思います。長い歴史の中で作り上げてきた物語を次に紡ぐように、『心地よく、そして贅沢な』時間を提供できる接客を心がけています。

静かに召し上がりたい方、お話してフルーツや料理のことを知りたいという方もいらっしゃいます。だからこそお客様のニーズは敏感に察知し、接客の際にはお客様に合わせた対応が即座にできるよう準備しています。その意識で働いていると「応援するね」「頑張ってね」とお声をかけていただけることもあります。